英語史のおはなし

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言葉は生き物でござるから、時代と共に変わるのは当然でござる。それは日本語も英語も同じ事で、詳しいことは専門の本があるのでここでは述べないでござるが現在使われてる日本語だって明治時代以降に新しく作られたり外国語を流用したりしている言葉が多いのでござるよ。

英語にも当然歴史ありって事でこれは別に英語の学習に直接役に立つわけではござらんが、長い英語学習生活の中にそういう事に思いを馳せる時間があっても良いのではござらんか?

それじゃあざっくりと英語の歴史の大まかなところを説明すると英語の変遷は大きくわけて古英語、中英語、近代英語、現代英語の4つに分ける事が出来るのでござる、それぞれがイギリス~ヨーロッパ~世界の歴史の変遷とともにあり、世界史の苦手だった人も昔の記憶を辿りながら読んでみてくだされ。

古英語(5世紀~11世紀中ごろまで)

紀元前からブリテン島(現在のイギリス)にはケルト人などの民族が住んでいたのでござるが、ローマのシーザーの侵略(A.D43年)によってローマの一地方として組み込まれ、その後のローマの衰退により大陸から来たアングル人、サクソン人、ジュート人などのゲルマンの諸部族がケルト人を西北に押しやり定住することになったでござる。彼らは戦乱の末に統一王国を建国し、その中で現在の英語の基礎ともいうべき古英語が生まれたのでござる。そのため英語はゲルマン語族に属し、文法や基本的な動詞などに同じゲルマン語族であるドイツ語との類似点が多くみられるでござる。

また、キリスト教の流入によりラテン語の語彙やデーン人(バイキング)の侵略により古ノルド後の語彙も流入されたのでござる。

このようにこの時期アングロ人、サクソン人の言葉を母体にラテン語、フランス語、ノルド語などの影響を受けて英語の基礎ともいうべき古英語が成立したのでござる。ちなみに English とは「アングル(Angle)族の言葉」と言う意味でござるよ。

中英語(11世紀~15世紀ごろまで)

1066年、フランスのノルマンディー公がイングランドを征服(ノルマン・コンクエスト)しウィリアム1世となり、ノルマン王朝を成立させると、貴族などはフランス語を話し中下級層は英語を話すという時代が訪れ、その結果フランス語の語彙が大量に流入し英語の語彙は大幅に増えることとなったでござる。

その後、百年戦争などを経て貴族階級も英語を話すようになり、ここにイギリスの国語としての英語が成立し、このころ英語で書かれた初の文学作品ともいうべき「カンタベリー物語」が書かれて書き言葉としての英語の地位向上に大きく貢献するのでござる。

近代英語(16世紀~19世記ごろまで)

15世紀から16世紀にかけて英語の綴りと発音に大きな差異が生じ(大母音推移)それまで綴りどおりに発音していた英語の読み方がややこしくなる。これは現在でも英語学習者の大きな悩みの種となってるでござるな。

16世紀から17世紀にかけてはルネッサンス期の文人たちがフランスへの反発もあいまってラテン語やギリシャ語からたくさんの語彙を流入し、活版印刷の影響もあって多くの語彙が定着し、また大航海時代の到来によりイタリア語、スペイン語、ポリネシア語、ペルシャ語などの言葉も多く流入されたでござる。

またなんといってもこの時代の英語の発展に貢献したのはシェイクスピアであり、彼の作品の中では多くの造語が生み出され現在でも英語として使用されているのでござる。英語圏のジョークにシェイクスピアを初めて読んだ人間が「なんだこの本は、どっかで聞いたことある言葉の引用ばかりじゃないか」と言ったというのがある程でござる。

現代英語(20世紀以降)

イギリスが大英帝国として世界の覇権を握るのに伴い、英語が世界中に広まると共に世界各国から英語に新しい言葉が流入された。またアメリカ合衆国の成立に伴い現在では英語と言えばアメリカ英語とイギリス英語に大別され日本ではアメリカGHQの影響で主にアメリカ英語の影響を強く受けているのでござる。

イギリス英語とアメリカ英語の差異は若干の発音、綴りの違いと共にアメリカ英語においてはアメリカに住む黒人文化の影響がみられ、またすでにイギリスで使われなくなったような英語表現が残っていたりもしており、またハリウッド映画の影響などでアメリカ英語がイギリス英語に影響を与えたりもしているでござる。

とまぁ、すごくおおまかでござるが英語の歴史はこんなとことでござるかな。拙者がタイへいった時タイの写真屋さんは photo を "FOTO" とスペリングしていたのでござるがこれを間違ったスペリングと考える人はいかんでござるよ、これはより発音に近く進化した結果であって決して間違いなどではないのでござる。今後インターネットの普及によって英語はさらに変化しつづけるのでござろうな。

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