考えるな、感じるんだ
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英文法を学ぶことは英語を学ぶ上でとても大切なことでござるが、それは難しい文法用語を覚えるということではないのでござる。
大切なのは文法や語法や構文が持つニュアンスを感じとっておぼえる事でござる。そしてその感じ方を鍛える事こそが英文法学習だと拙者は思う次第でござる。
例として以下の様な仮定法過去の文があったとする、
If I were a bird, I would fly to you.
もし私が鳥だったのなら、あなたのもとへ飛んでいくのに
貴殿はこの一文の中にどれだけの隠された意味を感じる事ができるでござろうか?文法書などでは、「飛んでいきたいができない、現実には不可能な願望を表す」程度の事が書いてあって「これが仮定法過去です」とおぼえさせようとする。
なるほど知識としては過不足なく文法書としてもこれ以上の説明のしようが無いのでござるが、学習する側はそれだけで終わってはいけないのでござる。
この一文から「私」がどんな人物で、「あなた」とどんな関係なのか、またどうして「鳥となって飛んでいきたいと思うのか」を英文から想像する事ができてはじめて、文法が身に付いたといえるのでござる。
今回の例の場合、貴殿が今一人身だったら、
「どうせ付き合いはじめたばかりの恋人同士が、2,3日離れた程度で電話越しに盛り上がってんだろ。」
と身も蓋も無い事を考えるかも知れないでござるが、この文章の中に恋人同士などと書いてあるわけではない。だがこんな事を恥ずかしげも無く言うのは恋人同士以外にはありえないと納得もしてしまう。
つまりそう言った感じ方こそが大事だと拙者は言いたいのでござる。
ここまで話して、昔国語が嫌いだった御仁の中には「なんか国語の読解力テストみたいだな」と思われた方もいるかも知れない。まさにその通りで、英語も日本語も自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを理解するためにある以上、学び方に大きな差があるはずもないのでござる。
だけど今は先生に模範解答を押し付けられる事もないので、自分の感じたいままの英語を感じて、いずれは自分の感じたままの気持ちを英語で表現できる様になるために英文法を学んでくだされ。